〇税込経理とは簡単にいうと売上や経費や資産の金額について消費税込みの金額で計上する方法で、税抜経理とは消費税を除いた金額で計上するという方法です。
(除いた消費税額は仮払消費税等や仮受消費税等という科目で処理します。)

〇今回はインボイスに関連する話ではありますが、消費税法の話ではなく記帳方法の話ですので、どちらかというと法人税法等の話になります。

〇どちらを選択するかは事業者の自由ですが、免税事業者は消費税の納税義務がないので帳簿には消費税額が含まれていないとみなされるため税込経理しか行うことができません。

〇ではインボイスの特例により令和5年10月1日から課税事業者となった場合で、同日が課税期間の途中にある場合は、どうなるのでしょうか。
9月30日まで税込経理だったので、10月1日から期末までも税込経理になるのでしょうか。

〇実はこの場合、税抜処理を選択したい場合は、期首から期末まで税抜処理とすることができます。

※税抜処理をする場合、期首から9月30日までは消費税がないので全て本体価格とすることになります。
おそらく会計ソフトでは対応していないと思いますので、自分で手入力により調整することになります

(例)現金売上100,000円(消費税別途10,000円)があったときの仕訳は
 (現 金) 110,000円 (売 上)  110,000円
            ((仮受消費税等) 0円)
 となり、仮受消費税等の金額を0円に調整する必要があります
 なお、この調整をしてもしなくても納付する消費税額に影響はありません。
 (割戻し計算方式を採用している場合)
 しかし、期末の消費税額の精算仕訳で雑収入や雑損失の金額に影響が出てきます。