○インターネット取引による所得について

数年前、「税務署からお尋ねの手紙が来ました。どうすればよいでしょうか。」というご相談がありました。

このかたはもともと地方都市の実家にお住まいで、そのときに副業でインターネット取引による所得があったのですが、確定申告書を提出されていませんでした。

その後、東京に引っ越されたのですが、実家の管轄税務署から実家にお尋ねが来て驚いて相談に来られました。

そのお尋ねは、要約すると

「平成○○年に以下の所得はありませんでしたか。

あるものに○をつけて返信用封筒に入れて回答してください。

・インターネットによるオークションなどの所得

・FXによる所得

・仮想通貨による所得

(以下、省略)                                        」

というもので、尋ねられている所得は一般的な店舗を構えて得られるものではなく、インターネットを介して得られるものについてでした。

 

ご相談の結果、幣事務所で申告書を提出することになりました。

 

このときのポイントとしては、税務署はインターネットを介して得られる所得について課税強化を考えている。

そして、インターネットを介して得られる所得がある人について、ある程度把握している(場合がある)ということです。

(このかたは今まで確定申告をしたことがなく、かつ、サラリーマンのかたでしたので、通常は税務署からはあまり調べられないかたです。)

 

この事例はちょっとぼやかして書いたのですが、実際はこのかたはインターネットによる所得が複数あり、税務署はかなり把握したうえで文書を送っているような感じでした。

 

税務署のこのような施策は地方で試してみて効果があった場合、大都市圏の税務署でもやってみるという傾向があります。

ですから東京の税務署でも行われる可能性があります。

(私が知らないだけで、既に東京でも始まっている可能性もあります。)

 

今後、特に気になるのは暗号資産についてです。

暗号資産による所得があるかどうかを令和3年分の確定申告から申告書に記載することになりました。この改定を知ったとき、上記の事例が頭によぎりました。

暗号資産による取引がある人を税務署が把握した場合、申告していない人に対して一斉にお尋ねを送るかもしれないですね。

 

 

○その他

①消費税について

最近テレビやネットでよく、消費税の不正還付に対する摘発のニュースを見ます。

不正の件数や規模が増加しているためか、消費税の還付申告書を提出した場合、すぐには還付されずにお尋ねの文書が来ることが多くなっています。

前からもお尋ねが来ることはあったのですが、以前では来なかったような還付額でもお尋ねが来ているような気がしています。

東京上野税務署に東京国税局管内全域を担当する消費税の専担部門ができていることからも、国税局が不正還付の取締まりに力をいれていることがわかります。

②補助金について

「税務調査の予約が来たので立会いをして欲しい。」とのご依頼を受けました。

調査が入るような規模ではないのですが、よくよくお話を聞いてみると持続化給付金、感染拡大防止協力金や時短協力金を収入に計上されていませんでした。

これが理由で税務調査先に選ばれた可能性が高いです。

補助金をもらっていたのに確定申告書に計上していたかった場合や確定申告書を提出していない場合は、すぐに提出したほうが良いでしょう。

補助金収入を申告していれば、本来であれば税務調査に入られなかったかもしれませんし、修正申告書等を提出することにより付帯税(加算税や延滞税)も多く払わないといけなくなってきます。

最も強い税務調査対策は、税務調査先として選定されないようにすることです。

瑕疵のある申告書や申告書内で自己矛盾しているもの、見た人に疑問を与えるものはできるだけ提出しないほうが良いと思います。